つくづく、自然が生み出す色、艶が美しいと感じる。
葉の一つ一つ、蕾、花弁、小枝に至るまで、それらは全て、驚くほどに計算されていて、一秒たりとも同じ表情を
見せることがない。
この地球上のあらゆる自然の産物が、その一瞬一瞬に流れるエネルギーを持っている。
咲き終わった花弁も、枯れかけた小枝も、今に開き始めようとする蕾も全て、その時にはなくてはならないもので、それら全てが存在してこその"この時"なのだと思う。
このことはまた、私自身にも言える。
今またひとつついたその呼吸も、指先まで届いたその血潮も、肩の重みでさえも、今この瞬間に、この場所で、この状況で行われたことは、今まで一度たりとも同じであったことはない。
一瞬一瞬に生み出されたそれらが全て、私の構成要素であり、なくてはならないものなのだ、と思う。